病院研修、看護研修・セミナーを主催する(有)ナーシングサポートセンターすばる

(有)ナーシングサポートセンター すばる

2019年5月の記事

研修案内)看護の記録、看護過程  於:東京

コメディカルアカデミー株式会社にて、研修を実施します。

 

約35年間、臨床現場の看護師の教育に関わってきたからこそ、見える課題があります。

看護記録の研修についての希望で、「看護記録が書けるようになりたい」という声を耳にします。

 

記録の書き方を知りたいということは、看護のプロセスより、方法論に目がいっているのです。

実際の看護の中身がなければ、どんな方法を使っても書く内容がありません。

「実際に行った看護がなければ記録は書けませんよ」というと、10回の研修を終えた受講者は「私看護してなかった」と気づいてくれました。

研修の開始時に「看護するとはどういうことですか?」の質問に、「診療の補助です」「クリニカルパスで看護しているから看護計画などは立てなくていいんです」等の言葉が聞かれました。“看護独自の介入”をしているようには聞こえません。クリニカルパスは、スケジュール表ですから。

 

研修は、個別の看護を看護過程にそって展開します。その結果、患者の問題の解決に看護師が成果を出すことができます。

看護過程をする上で、アセスメントが重要ですが、そのためにはコミュニケーションスキルやクリティカルシンキング、論理的思考が基本にないと一連の過程ができません。短い時間ですが、その点も踏まえ、今の医療や福祉の方向性のなかで看護が何をすべきかを考えていきます。

 

研修)個別性のある看護診断と計画が看護の質を高める

ー患者の問題解決のための看護実践がなければ充実した看護記録は書けないー

研修日時  2019年7月13日(土)10:00~16:00

      2019年7月14日(日)10:00~13:00

会場    コメディカルアカデミー株式会社

 

詳細については、コメディカルアカデミー株式会社のホームページをご覧ください。

看護は何をすべきか、ナイチンゲールに学ぶ

2020年は、ナイチンゲール生誕200年になります。ナイチンゲールは、1854年~クリミア戦争で、看護師の総責任者として活躍しました。

3か月で死亡率を42%から5%まで低下させました。その死因は、ほとんどが不衛生による感染症だったのです。

そして帰国後、病院の状況分析をし、統計資料を作り各種委員会に提出しました。それが保健制度及び陸軍全体の組織改革へと繋がり、統計学の先駆者と言われるようになったのです。

 

看護覚え書の中に次ぎの文書が記載されています。

・看護がなすべきこと、それは事前が患者に働きかけるのに最も良い状態に患者を置くことである。

・看護とは、新鮮な空気、陽光、温かさ、清潔さ、静かさなどを適切に整え、これらを活かして用いること、また食事内容を適切に選択し適切に与えること、こういったことのすべてを患者の生命力の消耗を最小にするように整えること、を意味すべきである。

 

また、ナイチンゲールは看護にとって「自然治癒力」「生活が健康、不健康を創り出す」「生命力」が大事な要素であることも伝えています。

 

私が看護の専門性について話そうとすると、行きつくところは“ナイチンゲール”なのです。

 

一般の人に「看護師は何する人だと思いますか?」と尋ねると「看護師は、医師の指示を受けて、注射などする人」の言葉が返ってきました。

看護師に「看護師の仕事は?」と尋ねると、「診療の補助」とか「クリニカルパスで看護している」などの発言がありました。

 

ナイチンゲールに立ちかえれば、環境や生活を整え、自然治癒力を高めることが看護の使命でもあります。

環境を整え、生活上の問題を解決して、患者の自然治癒力をいかに上げられるかが、看護師が取りくむべきことです。

決められた看護の業務を行うという視点ではなく、顧客(患者)満足の視点で看護を行うようにしなければなりません。

保助看法の「療養上の世話」において、看護は独自に専門的介入ができるのですから。

 

 

 

質改善が進む“チーミング”

医療や看護の現場で求められているのは、“チーミング”です。

チーミングは、境界のある固定された集まりではなく、動的な活動です。休む間のないチームワークで、安定したチーム構造を持たないまま一丸となって働き、協働することです。

臨床現場では、褥瘡チームや安全管理委員会のようにそれぞれのメンバーがそれぞれの専門性を発揮して予防や改善・変革への対策を講じるというものです。例えば褥瘡チームは、病院全体の褥瘡発生を予防したり、褥瘡が発生したとしても素早く対応します。安全管理委員会では、インシデントレポートの提出を促すとともに、早い問題解決にチームあげて関わっていくということです。

 

しかし、現状はそうはなっていないように見えます。

例えば、褥瘡については、『褥瘡チームには褥瘡ができて報告するもの。治療困難な褥瘡のアドバイスをもらう』となっていないでしょうか。現場の第一線で活動する看護師とチームの関りが、協働するというよりも報告と依存という関係になってないか気になります。WOCや褥瘡チームがない時代、病棟の看護師は発赤がないか観察し、ひとたび発赤が発生した場合、看護計画にあげて、看護師が一致したケアを行い、評価して、褥瘡に至らなかったことを喜びました。

 

また、安全管理委員会では、インシデントレポートの提出が優先課題となり、レポートを整理することが仕事になっていないでしょうか。以前あるリスク担当者に尋ねたところ「レポートを提出することが大事だから、看護師長に部署の問題解決するようには言わない」といっていました。医療事故は病院システムの問題と2000年頃から言われ続けてきました。個人ではなく、病院のシステム等の問題だからこそ、レポートのデータを分析し、問題解決に取り組み、病院やその部署のシステムの改善や変革が必要になるのではないでしょうか。

 

質を改善するには、チームメンバーが一人ひとりの考えや協働で成し遂げるチーミングが必要です。影響力のある一人の意見で、チームの活動が決まってしまうことのないようにしなければなりません。チーム機が能してないことになります。管理は無駄時間もなくさなくてはなりません。情報の伝達だけならメールで配信すればいいことです。チームで会議する意味は、まさにチーミングが機能しなければならないということです。さらに時間を有効に活用するという管理の視点も必要です。

医療・看護の質評価 PSからPXで問題の改善を

患者満足度(PS:Patient Satisfaction)は、医療の質評価のoutcomeに一つの指標として取り入れるられています。

病院で患者満足度調査をすると、80%以上の人が満足したとの評価がでてきました。

いくつかの病院の状況を聞いても患者満足度は意外と高いのです。バイアスがかかっているかもしれません。「果たして、これで判断していいの?」と疑問が残ります。

病院に対して、あまり期待してなければ「意外に良かった」と感じるかもしれません。

また、期待が大きい人は「良くなかった」と思うでしょう。

満足度も個人の感じ方の差であって、なぜ満足したのかの内容が見えてきません。

 

カール・アルブレヒトは、価値の4段階を示しています。

予想外価値…期待・願望のレベルを超え、喜び・感動を与える価値要因

願望価値…期待してないが、あれば高く評価する価値要因

期待価値…取引で顧客が当然期待する価値要因

基本価値…取引の基本になる不可欠な価値要因

※願望価値、予想外価値は、期待価値へと変わる可能性がある。

 

患者エクスペリエンス(PX:Paitient Experience)は、患者体験のことを指し、「ケアプロセスを通じて、患者が経験する事象」と定義されています。患者中心を評価する指標の一つで、患者の視点を測定可能なデータとして活用できるというものです。

例えば、いつ、どこで、誰によって、どのように満足したか。また、頻度をいつも、しばしば。全くという項目で尋ねるなど。

 

看護の質評価においても、PXによって、患者が経験したプロセスの確認や頻度等をしないと、改善の方向性も見えてこないのではないでしょうか。

今は一般の人が医療の情報を入手する機会も増えています。以前だったら願望価値だったものが、今や基本価値になっている可能性もあります。そうすると、訴訟も増加してくることは予想できます。

 

例えば、

看護計画は立てているものの実行していない、実行不可能な計画が立ててある、計画が患者と合ってない…など、カルテ開示で問題にならないようになっていますか?以前訴訟の判例で、計画通りに看護師が実行していなかったこと、記録になかったことで、敗訴した例をみました。それは、転倒のため、計画に30分ごとの見回りを追加したというものでした。

看護のプロセスで、問題はないかを見直し、日々改善に取り組むことが急務です。

 

 

 

看護サービス提供のために、解決すべき課題とは

医療は1995年に厚生白書で“医療サービス”と明記されました。

 

サービスとは、人間や組織に効用をもたらし、それ自体が市場の取引の対象となる活動です。

そこには、サービスを受ける側がお金を支払って、サービスを手に入れるということです。

看護サービスは、看護を受ける対象が満足した看護を受けられたと実感して、初めてサービスの提供ができたということになります。看護師の視点で業務を行っただけでは、よい看護サービスを提供したとはいえないのです。

 

看護そのもの、看護の専門性を高めて、看護が成果を出してこそ、よい看護サービスを提供したことになります。

看護サービスの向上を目指す看護管理者として、いくつかの課題をあげてみました。

①看護過程を定着させ、看護で成果を出していく。それを看護記録に残す。

②チーミングを機能させる。

③PSからPXで、評価していく。

*その前提として、論理的思考、コミュニケーションスキル、地頭力やフェルミ推定(考える力)等の基本的能力が重要になります。

 

10回の研修では、それらを組み込んだプログラムをしています。回を重ねるごとに、受講者の成長を実感しています。

 

管理者セミナーで学ぶ:看護の専門性発揮に不可欠な看護過程

「看護師の専門性を発揮しなければならない」とは、看護師全員が思っていることです。

石村善助氏は『初期の看護師専門職論争において、専門職にはクライアントのニードを知る技術(診断)とクライアントの要求を可能な限り充足せしめる具体的活動(治療)の技術が必要であり、看護にもこれらの技術が独自性をもって備わることが大切である』ことを指摘している。

 

看護の専門性を発揮するには、診断から治療、つまり看護独自の看護過程を実践することの重要性を指摘しているのです。

 

しかし、残念ながら、現場の実践者や指導者、管理者からは、

「看護過程は、学生の時習っただけでよくわからない」「自分は得意な領域ではない」「臨床現場に任せている」等々の言葉が返ってきます。

現状を見ると、看護管理者は看護の本質というより、それを取り巻く要因(接遇、離職防止、超過勤務削減、安全管理対策等々)への取り組みに時間を割き、看護過程を実践する体制や対策には関わってないようにさえ見えます。

 

果たして、臨床現場で看護の専門性は発揮されているのだろうか、看護の質は向上しているのかと心配になります。わからなければ、指導できないからです。

看護管理者が、看護過程の必要性を伝え、指導できなければ、看護の質は上がりません。

今更と思わず、一度看護過程を学んでみませんか。そして臨床現場に活かしませんか?

 

管11 2019/7/4 10:00~16:00 

   看護は、看護管理者の方針、指導、評価で変わる!

   -“看護の成果”を出す看護実践と書くべき看護記録ー

 

管12 2019/7/5 10:00~16:00Á

         看護師のアセスメント力を向上させる看護管理者の関わり方

 

会場:ナーシングサポートセンターすばる(アクセスはホームページ参照)

受講料:1日 13000円(税込 14040円)

開催人数:2人から開催(定員8人)

部下を伸ばす、仕事の成果を出す“ピグマリオン効果”

ジェフリー・フェファー、ロバート・I・サットン著「なぜ、わかっていても実行できないのか」のなかで、気になる箇所があります。ピグマリオン効果のことを書いているところです。なぜなら私も研修時、ピグマリオン効果についても話していたからです。

 

内容は、報奨や評価システム等に競争が重視されることで活動の質が上がると信じられていることへの反論です。

 

ーコーンは競争の効果を徹底的に調べて「優れて行動に競争は必要ない。それどころか競争のない状態が必要だ」と結論付けている。競争が必ずしもすぐれた業績につながらないことがわかる。良い仕事をしようとすることと、他の人を打ち負かそうとすることとは、まったく別のことなのだ。

 競争でないとしたら、行動を駆り立てるのは何だろう?それはピグマリオン効果と呼ばれる、自己達成を予言する力である。スキルや知性、過去の経験とは無関係に、教師がこの生徒はうまくやれると信じると、その生徒はちゃんとやってのけるのだ。リーダーが部下の力を信じて、さまざまな条件とは関係なくプラス思考の期待をすると、部下は良い結果を出すのである。実験では教師やリーダーが信じたり、信じたように行動したりすると、無作為に選んだ生徒や部下たちが平均以上の結果を出している。これが自己達成を予言する力である。ー

 

管理者に必要なのは、部下を信じて任せる、部下を信じたように行動することです。そのためには、常に任せた部下とのコミュニケーションやサポート、フィードバック等の関りが重要だということです。

管理者が指導するための知識がなかったり、任せっぱなしは、看護の質を上げることにはならないということです。

 

委任すれば、管理者は常に見ておかなくてはならないので、任せるにはそれまでの指導や任せた後のフォローをし続けなければ、部下を伸ばし、仕事の成果を上げることはできません。

管理者になるということは、部下の育成や仕事の成果に責任を持つことです。

そう考えると、管理者がどう行動しているかと周りからも見られているということです。

 

看護管理者がカギ、看護職の“働き方改革”

厚生労働省のホームぺージの働き方改革のなかで、『投資イノベーションによる生産向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることが重要な課題である』と書かれていました。

 

イノベーションとは、革新です。

新しい品質の財貨の生産、新しい生産方法、新しい販路の開拓、新しい原材料の供給源の獲得、新しい組織の実現などがあります。

 

果たして、今の看護、このままでいいのでしょうか?

 

働き方改革を看護で考えると、

一つに患者に看護の成果を出すこと、二つ目には職員の働く環境の拡大と意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることと言えます。

看護の成果・・・患者の問題に対して、専門的アセスメントをして計画をたて実施し、最後にどこまで成果を出したかを評価する。

働く環境の拡大と意欲・能力を存分に発揮できる環境

 ・・・看護の専門性を活かした場の拡大、意欲的に看護の専門性を発揮できる環境をつくる。

 

看護管理者に求められているものは、革新、変革です。

まずは、看護の専門性を育成する教育システムを作り、人を育成する。教育の結果を評価し、効果的でないものを見直す。

そして、効率的で効果的な仕事の仕組みを作り、無駄を省くことです。さらに看護師が専門性を発揮し、看護の力で患者の回復に貢献する、患者が希望する今後の生活を維持できるようになったと看護への意欲が増すように看護管理者が看護師に指導や支援を細やかにすることです。

 

管理は無駄を省き、効果性効率性を追求しなければなりません。つまり、引き算です。足し算では、看護師の負担を増やすことになりかねません。働き方改革を今一度考える時期です。

今までの業務の継承、17時過ぎから1時間の研修、業務の積み上げ、担当者を決めたらノータッチ、超過勤務は仕方ないとあきらめてるなどあれば、

フリーを減らし受け持つ看護師を増やそう、夕方の意味ない研修は時間内にしよう、業務を合体しよう、仕事を任せればその分関わる時間が増えるから基準や体制を整えた上で任せよう、各勤務の業務のバランスを考え負担の偏りをなくそうと、看護管理者として働き方改革への取り組みが、看護師の離職率を低下させます。

 

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