病院研修、看護研修・セミナーを主催する(有)ナーシングサポートセンターすばる

(有)ナーシングサポートセンター すばる

2019年6月の記事

臨床現場から、看護過程がなくなった?看護の本来すべきことは何なのか?

日本看護協会の「看護業務基準」の中で、看護過程の実践について次のように書かれています。

———————————‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐————————————————————————-

1-3看護実践の方法

1-3-3看護を必要とする人を継続的に観察し、状態を査定し、適切に対処する。

 看護職は、看護を必要とする個人、家族、集団、地域を継続的に観察して、健康状態や生活環境等を総合的に捉えて査定した上で、支援を必要とする内容を明らかにし、計画立案、実行、評価を行う。この一連の過程は、健康状態や生活環境等の変化に迅速にかつ柔軟に対応するものであり、よりよい状態への支援をおこなうために適宜見直し、必要に応じて様々な資源を活用する。

1-3-5看護実践の一連の過程を記録する

 看護実践の一連の過程の記録は、看護職の思考と行為を示すものである。

【留意点:准看護師】

・1-3-3は、准看護師は看護師の立案した計画に基づき、看護師の指示のもと、看護を必要とする人に対する支援を行う。

————————————————————————————————————————————————–

また、各厚生局HPで『適時調査における指摘事項』で次のことが述べられています。

・平成28年度中国四国厚生局

(6)看護の実施

 〇看護計画について、効果的な医療が提供できるように患者毎に看護計画が立てられ、その計画に沿って看護が実施されるよう配慮すること。また患者の個人記録については、個々の患者について計画的に適切な看護を行うため、看護の目標、具体的な看護の方法及び評価等を記録するものであることを十分留意の上、医療保険請求にふさわしい内容とすること。

・平成27年度~平成29年度の近畿厚生局

②看護計画を個別に立案し、それに基づくケアを実施すること。また、看護計画及び実施計画の評価を行い、適切に見直すこと。

 

日本看護協会も各厚生局も、看護師が個別の看護計画を立案し、実施、、評価、見直しを専門的知識を持って行うことの必要性を書いています。

 

しかし、臨床現場の看護師に看護過程実践の状況をたずねると「昔学校で習ったけど、今はしてない」と遠い過去の思い出でしかありません。また「看護師も准看護師も看護計画をたてている」など、臨床現場では看護過程が看護師の専門性を発揮する上で重要なことだとは認識しているようには感じられません。

電子カルテを導入している病院では、「病棟で使う看護診断をとりあえず書き、皆が書いているような計画を書いている」とアセスメントはしてません。また別の人は、事例をまとめるときアセスメントを書くが看護診断が先に立ててあるためか、アセスメントをどう書いていいかわからないという言葉も聞かれます。

つまり、空欄埋めの看護計画や看護記録となってしまっているのです。それに加えクリニカルパスで動いているので「自病棟では、看護はほとんどクリニカルパスでやっているので、看護計画は立てる必要がありません」という看護師もいるのです。

 

個々の患者に沿った看護計画を立案し、患者の問題解決をするという看護本来の仕事、責務はどこへ行ったのでしょう?

成長の鍵は、学んだことを経験すること

ある調査で、次のことが書かれていました。

 

リーダーシップを発揮できるようになった人たちに「どのような出来事が役に立ったか」について聞くと、70%は経験、20%は薫陶(上司に言葉、コーチング)、10%が研修。

研修を受けただけでは、何にもなりません。「研修には行っているのに、何も変わらない」と思う上司もいらっしゃることでしょう。

 

世の中、免許更新制で働いている人は多く、「倫理は〇単位取らないと更新できない。他には・・・・・」など耳にします。また、保険会社勤務の人は、〇〇の講習を受けないと商品を販売すらできないと言います。さて看護師はというと米国は免許更新制ですが、日本の看護師免許は、終身制です。研修を受けなくても看護師として働けます。果たしてどのくらいの人が自主的に研修を受けているのでしょうか。

受講者から、時々「上司から研修に行くように言われたから」ということも聞きます。動機づけなく参加した研修は、何にもなりません。研修参加が目的になってしまうので、自ら学びを実行しようとは思わないでしょう。研修料金、出張費用等を考えると、費用対効果としてはマイナスになってしまいます。

 

リーダーシップ発揮の例は、研修だけではリーダーシップを発揮することはできなかったのが、学びを経験することで自分の能力が各段に向上したということでしょう。行き当たりばったりの経験だけでは、自分を成長させることはできません。新たな知識を得て、それを体験することが重要です。

 

今病院の研修では、1月に1回の研修を10回行っています。今月の学びの1つを現場でやってみて次回に報告してもらうようにしています。発表を聞く管理者は、受講者の変化や成長を楽しみにしてくれています。10回の最終回は、10か月間の自分の取り組みの発表や事例検討会をしているのですが、やってみたから見えたことも大きいようです。

 

受講者から次の言葉を聞きました。「研修を受けだけの時、自分ではできたつもりだった。自分がやってみて、まとめてみて、私ってこんなにできてなかったんだ」と。

実行する、経験するということが、成長には最も大事なことなのです。是非、経験する機会を作ってほしいものです。

 

看護師としての“幸せ”とは何?

看護師としての“幸せ”とは何だろうか。

今の世の中、40時間以上超過勤務をしないように、また超勤した場合正当な代金の支払いを求めています。やっと制度も整ってきつつあります。

 

しかし、私が現役時代に大学病院開設に関わったとき、日勤は22時に帰り、次の勤務の深夜では0時までに出勤しないといけないことは常にありました。ほとんど休みなく働き、皆で「倒れたほうが勝ち」と言いながら、周りを気遣いながら頑張っていたことが思い出されます。

 

皆病気することもなく、不思議なくらい、元気で働いていました。ようやく、流れが整ってきたときに、熱を出したり、風邪をひいたりで休むことも増えてきました。

あんなに忙しかったのに、なぜ皆元気で働けたのか?と考えてみました。

 

医師も看護師も、皆目指す目標が一緒で共有していたことでした。『患者さんを助けたい』という強い思いでした。約20年後に当時の医師や看護師と食事する機会があったとき、「あの時は~」と必死に働いた当時を懐かしみ、「あのころの看護師さんは優秀だったね」と医師は言ってくれましたが、平均年齢おおよそ24歳ぐらいだったと思います。“過労死”という言葉はなかった時代です。

 

ある意味、それぞれがセルフマネジメントができていたのかもしれません。全体枠の中で、人や業務に流されることなく、今自分がすべきことが明確で、その結果にやりがいを感じていたように思います。忙しいながら、「私は~したい」と将来の目標を話すこともありました。

 

セルフマネジメントとは、

・自律し、主体的に行動する。

・他者との関係を良好に保つ。

・自分の“あるべき姿”(どうなりたいのか)を描く。

・“あるべき姿”実現のために、計画をたてて、あらゆるリソースを活用しながら行動する。

・多角的視点を持って評価し。“あるべき姿”の実現と次への目標を見いだす。

・自分が成長する。

・他者に貢献し、自他ともに良い結果に至るようにする。

 

アンソニー・ロビンスも、何が私たちを幸せにするのか?・・・に対し、それは「成長」であると言っています。“将来あのようになりたい”“ここまでできるようになった”“現状分析できるようになった等の成長の自覚や目標を描くことが、看護師としての幸せにつながったかもしれません。

 

ページトップへ

お問い合わせ

メールでのお問い合せはこちら

tel. 097-532-0215
電話受付:10時00分~17時00分
休日:土・日・祝日、お盆、正月

電話をかける